qualiadiversity’s diary

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ダイバーシティの成功には、マネージャーの主体的な関わり・交流・社会的説明責任の付与が不可欠

HBR 2017年7月号の特集は「生産性」
これも気になるテーマなんだけど、やっぱり私はコチラです。

2016年のマッキンゼー賞受賞論文
「差別の心理学:ダイバーシティ施策を成功させる方法」...
ハーバード大学教授 フランク・ビドン
テルアビブ大学准教授 アレクサンドラ・カレフ

ここ1年以上にわたり、定期的に掲載してきたアンコンシャスバイアス関連記事の集大成のような内容。
これを読まずしてダイバーシティを専門にしていますとは言えません(^_^;)

1990年代末から2000年代初頭にかけて、金融業界を中心に複数の訴訟騒ぎがおき、企業はダイバーシティに一層配慮するようになった。(例:この15年間でメリルリンチが支払った訴訟総額は5億ドル近くに及ぶ)

それによりダイバーシティ研修などの取組は拡充されたが、結局のところ平等化は進んでおらず、ダイバーシティの取組の大半はダイバーシティを高めていない。
基本的には1960年代から使ってきた旧態依然としたアプローチで何度も何度も勝負に出ているだけなのだ。この手の手法は事態を改善させるどころか悪化させるコトの方が多い。

強制的手法は偏見を根絶するどころかむしろ強化しかねない。人間は自らの自律性を主張するために、規則に反発することが多い。取り締まりをゆるめた方が、よい結果が出ることが分かった。
・マネージャーが業務中に女性やマイノリティと接触する機会を増やすこと
・社会的説明責任を醸成してマネージャーが公平な人間だと思われるように仕向けるコトの方が効果的。

効果のなかった研修
・強制的なダイバーシティ研修
・応募者への登用試験
・苦情申し立て制度

効果のあった研修
・ダイバーシティ推進特別チーム
・メンタリング
・ダイバーシティマネージャーの設置
・任意参加の研修
・女性を対象としたカレッジリクルーティング制度

マネージャーに協力させるための方法は、①マネージャーにダイバーシティ問題の解決に当たらせる、②マネージャーと異なる集団に属する人々が接するようにする ③変化のために社会的責任を奨励する 

・関与
信念と行動が一致していない人は、「認知的不協和」を経験している。信念か行動のいずれかを変えることで不協和を「修正する」傾向がある。したがって、特定の見解を支持するようなやり方で行動するように人々に促すと、彼ら/彼女らの意見はその見解の方に近づくのだ。
*メンター制度は最も効果的

・交流
集団間の交流によって偏見が減少しうることは、第二次世界大戦中の欧州戦線で実証された。
マネージャー研修生に様々な部署を経験させたり、横断的なチームで行うプロジェクトのような自己管理チームは効果的

・社会的説明責任
周囲に良く見られたいという人間の欲求を刺激することで効果がある。CEOをトップとするダイバーシティ推進特別チームの設置は、社会的説明責任の醸成に役立つ。
ダイバーシティマネージャーをおく方法も、社会的説明責任醸成によって、社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)を強化する。

強制的に取組に参加させ、実践に移さなければ罰するというやり方では、人々を動機づけるコトは出来ないのだ。

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