qualiadiversity’s diary

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アンコンシャスバイアスにアンテナを立てよう

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ダイバーシティ&インクルージョンの肝とも言えるのが、多様性に対する柔軟で楽観的な思考スタイルをどう維持できるかということ。こり固まったメンタルモデル(認知的枠組み・モノを見る世界観)に気づき、それを手放すことは多様性を活かす上で不可欠なことだ。
最近、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)トレーニングのニーズが非常に高まっているのも、このメンタルモデルが強固に組織の中にはびこっているからだろう。
2014年のガーディアン紙にクリスティーヌ・ラガルド氏のコメントが掲載されていたので紹介したい。女性自身が持つ無意識の偏見(女性にはリーダーは無理、私はにはできない)をまず捨て去ろう、というメッセージ。しっかりと受け止めたい。

---以下、クオリア訳---

・無意識の思い込みがもたらすもの

私たち女性は自らに染み込んだ思い(自信の無さを含め)そのせいでチャンスを逃し、トップへの道をあきらめてしまっている   

クリスティーヌ・ラガルドはかつてフランス有数の企業から女性ではパートナー(共同経営者)になれないと警告されたことがあります。

無意識での思い込みは人生のあらゆる面に影響を及ぼします。私たちは意識せぬまま、自分と似た外見、考え方、バックグランドを持つ人々を好む傾向にあります。誰もが自分は寛容で客観的な人間と思いがちですが、人が自身や他人をどう理解し評価するかは、家庭環境、文化、過去体験から形成される個人の考え方・価値観に大きく影響されます。これはさまざまな研究が実証済みです。
時間をかけて蓄積された思考パターン、推論、解釈(あるいは思い込み)は、情報を素早く効率的に処理するために有用な側面もあります。生死のかかる局面では、思い込みはひとつの長所・不可欠な特質でさえあります。しかしビジネスにおいてはその代償は大きいものです。客観性に欠ける決断、究極的にはチャンスを逃すことにつながりかねないからです。

Lord Davies(英国貴族院議員)による最近の報告では、FTSE100企業の全取締役に占める女性の比率は20.7%となっています。2011年の12.5%から大きく改善しているものの、両性の平等というにはほど遠い状況です。この背景にあるのは、男性だけでなく女性自身もが持つ無意識の思い込みであるといえないでしょうか?
私たちが抱く野望もまた、既存の「ものさし」を反映したものとなりやすいのです。現在重要な役割を担う女性が少数派であるという事実によって、女性たちはキャリア構築にあたり、無意識のうちにトップを目指すことから後ずさりしていないでしょうか。思い込みのかたちも様々で、成功するにはもっと男勝りでなければと考える人もいれば、自らの能力や強みに疑問を持つ人もいます。
こうした思い込みはまた、クリスティーヌ・ラガルド(IMF初の女性トップ)のようなロールモデルとなる女性たちについての記事で助長されることもあります。ラガルドは最近になって、フランス有数の企業から女性ではパートナーになれないと言われた自らの体験を明かしました。「ラガルドでそうなら、自分も同じ目にあうに違いない」との思いに至るのは容易でしょう。
このような思い込みは、失敗への不安を和らげてくれる一方で、私たちが持つ真の可能性を遠ざけてしまうことにもつながります。それでは、どうするべきなのでしょうか?
Newton Investment ManagementのCEOヘレナ・モリッセイ(Helena Morrissey)は、「多様な考え方と視点が必要ということに尽きる」と考えています。そしてその多様性を持つため、企業は自社の優秀な女性従業員に投資し、職位を上げながら育てていくべきだと語っています。
クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde) も同意しています。「今は、会議室で私以外は全員男性という場合がほとんどですが、これでは組織全体を動かすのは難しいでしょう。私の存在が組織を変えられる時というのは、中間管理職やその上級層に女性が増え、マイノリティである彼女たちを私が支援することで、彼女たちが働きやすくなり、自信を持ち、思い込みを振り切ることができるようになる、その時なのです。」 

しかし本当の変化を起こすためには、女性もまた自ら持つ無意識の思い込みに目を向け、害となりうる考え方を捨て去らねばなりません。
思い込みは内に宿ります。私たち自身から生まれるのです。企業文化に目に見える変化を望む前に、まずはそれが十分に理解されなければなりません。

私たちは先入観を捨て、新しい考え方を学ぶ必要があります。ロールモデルとなる存在が身近にいなければ、優れたリーダーの特質を自ら定義し、それを目指していかなければなりません。 

http://www.theguardian.com/women-in-leadership/2014/may/01/unconscious-bias-wome
n-holding-back-work