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qualiadiversity’s diary

ダイバーシティ&インクルージョンな日々を楽しむヒントや情報を発信しています。

「振り返り」こそが成長の宝

ファシリテーション

先日のFAJ関西支部定例会は、2003年8月の第1回目から数えて100回となる記念の定例会だった。

テーマは「ファシリテーターとしてのこれからを考えよう~愛と泡(IとOur)・2012」

プログラムはいつになくゆるい設計で、ダイアローグを重ねながらこれまでの自分の歩みを振り返り、これからの(Fとしての)自分を考えるというもの。そして、最後に今回のプログラムそのものについて振り返り、気づきを得る、という構成。

久々にじっくりとダイアローグができることに、発散系の私は大満足。プログラムがどうのこうのというより、信頼できる仲間達と関心のあるテーマについて好きに話していいという環境が心底、心地よいなあ、と。

しかし、最後のプログラムの振り返りで出てきた様々なフィードバックを聞くうちに、もやもや感が膨らんでいった。
私が思っていた以上に、満足度の低い参加者が少なからずいたようだ。

その後MLやフェイスブックを通して、感想などやりとりをするうちに、「振り返る」ってどういうことだろう?という疑問がむくむく。

折しも、FAJのニューズレターで元会長の堀さんが実施した「『振り返り』を振り返る」WSの紹介記事が掲載されたり、最近立て続けに様々なフィードバック(FB)を得る機会があり、へこんだり反発したり、納得したり・・という時期だっただけに、振り返ることの意味を一段深掘りしてみたくなった。

ファシリテーションに限らず仕事のどんな場面においても、もっと言うなら人生においても「振り返る」ということはとても大事。
過去を振り返り、じっくり考え、そして未来に向けて一歩を踏み出す。
常に忙しい日々に追われていると、ついつい「DO」や「Action」にとらわれがちだけど、実は「やってみてどうだったのか?目的や意図は達成できたのか。何がよくて何が悪かったのか」を振り返ることで、それが成長や発展につながっていく。
頭ではわかっているが、なかなかできないことだ。
さらに、「何のために、誰のために、どのように」をあまり考えずに行う「振り返り」は単なるアリバイづくりになってしまう危険性もある。いわゆる自己満足。

特に感じたのは、「振り返り」の主役は誰か?ということ。FAJの定例会においては、プログラムを企画・運営チームしたチームは、自分達へのFBを期待しているし
一番学びが多い。一方で、では参加者はお客さんなんだろうか?プログラムの評価をすることが役割なんだろうか。自分達(参加者)としての学びは何だろうか・・・
私としては、矢印の向きが多(参加者)から個(企画メンバー)への一方向になっていて、相互の学びにつながっていなかったことが残念だった。問題の一部には常に自分も含まれているという視点にたつなら、それを作り出した一参加者としての自分への振り返りも必要なんだと思う。
もちろん、今回の振り返りが企画メンバのスキル向上という点に目的があるなら、それは達成されたのだろうが。
今回は「問い」の立て方や目的の共有が少々あいまいで、何のために振り返りをしているか参加者の理解にばらつきがあったと思う。

また、振り返りの仕方にも工夫が必要だ。単に「やってどうだったか?」という感想や事実の共有だけでは意味がない。「おもしろかった・つまらなかった。」「次は自分もやってみたい」「○○をしました。○○という結果になりました。」だけでは、次につながらない。「なぜ、そう思うのか、それはつまり何を意味するか、そこから何を学んだか」という一歩踏み込んだ内省力が必要なのだ。振り返りには出来事を概念化する力が不可欠だろう。


振り返りには様々な手法があるが、代表的なものは、以下の3つだろうか。

KPT((ケプト)=プロジェクトマネジメントなどで使われる振り返り手法(Keep、Problem、Tryの頭文字)

1.何が良かったのか、今後続けたいもの、工夫したこと(Keep)
2.何が問題だったのか、新たに問題として出てきたこと(Problem)
3.1と2を踏まえて、次回やってみたいこと、新たに挑戦したいこと(Try)


AAR=米陸軍で行われている事後検討手法(after action review)

1.われわれがやろうとしたのは何か(観察したこと、自分の目にとまったこと、自分の耳できいたことは何か)
2.実際に何が起きたのか
3.なぜそうなったのか(自分がその活動をする以前に期待として抱えていたこと)
4. 次回我々がやろうとするのは何か(1.2.3を踏まえて次に取り組んでみること)


ORID=IAF等で活用されているファシリテーションの振り返り手法の一つ
Objective  Reflective Interpretive Decisionalという4つの質問の頭文字

O=Objective Question(客観的な質問=情報を収集する・経験や事実の確認)
・何をしたか/何が起きたか/変化があったときどのような反応だったのか
R=Reflective Question(参加者の感情を聞き出す)
・最も熱中した時、フラストレーションを覚えたい時はいつ?それはなぜ?
I=Interpretive Question=(価値や意味の問いかけ)
・これまでに同じような経験があるか?/何が重要な学びか?
D=Decisional Question=(アクションの設定、次のステップの確認)
・学んだことを活かして、どのような違ったことができるか

ほかに、FAJメンバーからはサンドイッチ方式(ポジティブ・ネガティブ・ポジティブの順番にFBする)や、後褒め法(1..本人の振り返り→改善点のFB→3.良かった点のFB→4.本人の再振り返り)などのやり方を教えてもらった。

大事なことは、起こった出来事を客観的に詳細に観察すること。そして意外に落としがちであるが忘れてならないのはメンバーの中にわき上がった感情をしっかり引き出すこと(そこにはそれぞれの信念や価値観、メンタルモデルがあるから)、そして原因追及だけに終始せずに、次につなげるにはどうすればよいか、そこからの学び、をしっかりと作り出し共有することだろう。
これこそが、「振り返り」の目的であるし、それが達成できれば非常に大きな成長の材料となるだろう。

もちろん、その言い方には注意が必要なことは言うまでもない。単に優しい言葉を羅列しても届かないし、トゲのある自分本位の言い方では反発にしかならない。「愛」ある率直なフィードバックこそが、心に響き新たな行動につながるのだから。

いずれにせよ、これだけのリフレクションを引き起こしてくれた企画チームには改めて感謝。
久々に学びの多い定例会だった。