qualiadiversity’s diary

ダイバーシティ&インクルージョンな日々を楽しむヒントや情報を発信しています。

Leslieさんとの出会い

 ロサンゼルスに拠点をおくNPO「GOLD」代表建部博子さん(http://www.goldleaders.org/)
の紹介で、NYに住むウィメンズ・リーダーシップ・エクスチェンジ共同代表の
Leslie Grossmanさんとお会いする機会を頂いた。http://ht.ly/9GIyE
昨年GOLDシンポジウムでのスピーチを聴いて以来。女性のリーダーシップ開発や起業家支援の専門家ということで、お会いするのが楽しみだった。

○これからは「コラボレイティブリーダーシップ」の時代

 午前中は某メーカーで部長をしている知人女性Iさんも交えてのリーダーシップ談義。
レスリーは、どんな女性にもリーダーシップはあるという。家庭をマネジメントしたり一度に複数のことを処理したり、チームビルディングに貢献したりと、私的な場面では力を発揮する彼女達がなぜ組織ではリーダーシップを発揮できないのか。問題は、従来型の組織では指示・命令(Command&control)型がよしとされ、そのようなスタイルを好まない女性は自分にはリーダーシップがない、向いていないと思ってしまうことにある。

「全ての女性にリーダーシップが必要でしょうか。私はリーダーではなくフォロワーでよいという人がいてもいいのでは?」と聞いてみた。それは、私が出会う多くの女性の疑問でもある。

「リーダーシップはすべての人がもっているもの。それをどのように発揮するかは人それぞれだが、ただ自分で気づかないだけ。リーダーになるメリットを改めて考えてみて欲しい」。そう答えるレスリーは、少女時代にリーダーシップを発揮する体験がとても重要と続けた。

彼女は、少女向けのリーダーシッププログラム「unleashed」を開発し提供している。Unleashedとは、(犬の)革ひもを外すという言葉が転じて、束縛を解く、解放するという意味で使われている。Unleashedワークショップはまさに「子犬」がキーワード。「地域の保健所で捕獲され安楽死を、まつばかりの小さな子犬(パピー)をどうやって助けるか?」をテーマに、10週間をかけて複数のグループに分かれた少女達がアイデアを練り、実際に子犬を助けるアクションを起こすまでをサポートするのだ。ポスターを作ったり、里親とのマッチング事業を提案したり、しつけ教室を開いたりと少女達は斬新なアイデアを思いつき様々な方法で子犬を救っていく。そのプロセスにおいて一人ひとりの少女が自分らしいリーダーシップを発揮していくのだ。
なかなか面白いプログラムだ。(・・日本ではなかなか実現が難しそうだが)

 レスリーは、これから組織で必要とされるリーダーシップスタイルは、決して指示・命令(Command&control)型ではなく、協力・協働(Corroborative)型であると強調した。仲間を増やして共に創りだしていく力。まさに女性のもつ共感力、協調性が活かされるスタイルの一つだ。
私自身の経験からも、協力・協働型は女性と親和性が高いと感じている。リーダーシップトレーニングを実施する中で、21世紀に必要なリーダーシップスタイルとして支援型、協調型を伝えると、彼女達の表情がぱっと明るくなる。自分らしさを活かしたリーダーシップを発見した瞬間だ。大切なことは「Lead the self(まずは自らをリードする)ということ。自分のありたい姿を明確にして意思を持って行動する。それがリーダーシップの基本だということで、二人の考えは一致した。

○女性がリーダーになるために必要な事

全国各地で講演する中で、多くの日本人女性と会ってきたレスリーに、「働く女性と接して気づいたことは何か」と質問してみた。

彼女が指摘したのは3点。
1つは、「明確なVisionを持っていない人が多い」ということ。
 キャリアを考える上で自分のありたい姿(Vision)を持つことは非常に重要だ。Visionがないとどこへ進んでいいかも、何をしたらよいかもわからない。自分の人生を誰かにゆだねるような依存的な生き方からは何も生まれない。中期・長期的に自分がどうなりたいのかしっかりと意識することが大切。・・・・ Try to articulate a vision(Visionを明確に)

2つめは 「ネットワーク力が弱い」こと。
 日本人女性と話をする中で、自分を支援し、助言や機会を与えてくれるメンターをもっている人は少ないと感じたそうだ。
特に彼女が強調したのはFace to Faceのネットワーク。SNSやネット上で何人友達を増やしても、異業種交流やセミナーで沢山の名刺を集めてもそれはほとんど意味がない。パーティで多くの人と話をすることよりも少数の人とじっくり話す方がより価値がある。

Entourageという言葉を何度も使っていた。Entourageは直訳すると「取り巻き」という意味だが、ここでは深く相互に関わり合う密接な関係を指す。一方通行の関わりではなく、お互いを相互支援するようなネットワーキングが、めざすキャリアを実現する上で不可なのだ。

現在執筆中だという本のタイトルは「Linked out(外につながる)」。
Linked inというSNSからの発想だが、ネットだけでは実際につながっていることにならない。外に出て行ってFace to Faceでリアルな深いつながりを形成することの大切さを説いている。
・・・・making a mutual connection(強力な相互ネットワークを作る)」

そして3つめは「組織化する力が弱い」こと。
 前述のネットワーキングにもつながるが、リーダーシップとはつまり組織を動かす事に他ならない。自分ひとりではできないことを様々な人の力を結集して成し遂げる。そのためには組織化は不可欠だ。
彼女が共同代表を務めるウィメンズ・リーダーシップ・エクスチェンジは現在65,000人の会員を擁する組織だが、10年前にスタートした時はわずか100人程度のネットワークから始まった。MLを作り情報を配信し、毎年セミナーやワークショップ、国内大会を各地で開催し続けることで現在の規模になった。拡大することがすべてではないが、個人でできることには限界がある。組織化することにもっと注目した方が良い。
・ ・・・To organize the exercise of that influence(影響力を行使して組織化する)

 「ビジョンを持つ」「強いネットワークを構築する」「組織化する」。どれも重要なキーワードだ。私が普段提供しているリーダーシッププログラムもまさにこのような視点を盛り込んだ内容であり、共感することが多々あった。レスリーは何度も「それはアメリカも同じ。日本の状況は米国の30年前の姿だ。今でも女性は多くの壁に囲まれている。だからこそ、勇気やパワー、スキルを得るための様々な支援・ネットワークが必要」と繰り返した。国や文化、環境は違えども女性の置かれた状況はよく似ている。女性がその力を十分発揮し、相互信頼に基づきつながることで、間違いなく世界は変わるだろう。

 約7時間にも及ぶミーティングは、いくら話しても足りないくらい内容の濃いものであった。別れた後届いたメールには「あなたとの出会いは、今回のハイライトの一つでした。これからもさらに協力関係を築いていきましょう。Entourageの関係を」といううれしい言葉が綴られていた。

   今度は私がNYを訪問しよう。日本女性の活躍をお土産に。