qualiadiversity’s diary

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組織風土ってなんだろう?

組織風土とは、組織のメンバーが共有する価値観や信念、思考プロセス、これらに基づく行動等。目に見えないものだが、厳然とそこにあり、無意識のうちにメンバーの意識や行動、意欲に影響を与える。

私の所属するFAJも2003年の設立以来、今や全国に5支部7サロンを有し、会員数1600名を越える大所帯となった。当然、固有の組織風土や組織文化も確立されているだろう。まあ、ファシリテーターの集まりだから、関係性を大事にするとかオープンマインドで対話を好むとか、共通の価値観はあるような気がするが、中にいるとそれがどのようなものかなかなか言葉にしずらいものがある。
この組織風土に関して最近、ちょっと面白い体験をした。11月に実施した、IAFインド大会の報告会をFAJ関西支部のメンバーを対象に行った時の出来事だ。

9月に参加したIAFアジア大会はプロのファシリテーターの研鑽の場であり、アジア各国のファシリテーターが集い3日間の期間中、様々なセッションが行われた。とりわけ、サモア人の話し合いをルーツとするサモアンサークルを取り入れたワークは興味深く非常に面白かったため、報告会ではこのワークの再現を試みた。
「コラボレーション」をテーマに、ディベートや立場を入れ替えての話し合いを行った後、最後に「コラボレーション」で大事なことを4つの軸に切り分け、それぞれの立場を明らかにしながら、対話を深めるというもの。十字に切り分けられた床には4つのキーワードと4脚の椅子。意見のあるものはその椅子に座って話をする。みんなの前で意見を言うことにためらう人も多いが、さすがはFAJのメンバー、次々に椅子に座って意見をのべる。

しばらく観ていると面白い現象に気がついた。「順番に話してください」といったわけではないが、必ず時計回りに一人ずつ順番を待っているのだ。途中で割り込んだり、長々と話しすぎることもない。一定の時間でテーマが変わるため順番を待っていた人の中には発言できず欲求不満をもった人もいたようだ。また、一人が発言するとその後ろにいる人達(同じ軸にいる人達)から自然と拍手がわき起こる。拍手は承認・肯定・賛同の合図でもあり発言への評価にもつながる。終了後、拍手することに対して違和感をのべる人がいた。「対話」に拍手はいらないんじゃないか、と。

「順番を待つ」「拍手をする」 誰が言ったわけでもないのに、暗黙にみんなが了解していたルール。これこそがメンバーが共有する価値観や信念、思考プロセスに基づくものといったら言い過ぎだろうか。
先日研修した某企業の管理職研修では「失敗を許さないからチャレンジしない」ことが組織風土にあるという意見に誰もがうなずいていた。
よい・悪いという前に、私たちの組織がどのような組織風土・組織文化をもっているのかオープンに話し合うことは重要だ。

さて、改めて考えてみる。FAJの組織風土ってなんだろう?

このテーマで一度定例会をやってみるのも面白そうだな。