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ワークライフバランスレポート2009

 内閣府 仕事と生活の調和推進室から「ワークライフバランスレポート2009」が発表されました。これは、2007年12月に制定された「ワーク・ライフ・バランス憲章」とその行動指針の進捗状況や今後取り組むべき課題をまとめたもので、下記から全文がダウンロードできます。
http://www8.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/report-09/index.html

 行動指針の進捗状況はというと、数値目標14項目中、改善項目10 悪化1 維持3とまずまず順調に進んでいる様子。おもな改善項目は週60時間以上残業者の減少、フリーターの減少、男性の育児休業者の取得率の向上など。ただ改善幅は僅少で安心はできません。悪化指標は労働生産性の伸び率で昨秋からの急激な不況が影響しているようです。
   
 今後取り組むべき項目としては、以下の3つの分野でそれぞれの次のようなことが明記されています。

●仕事と生活の調和推進に向けた制度の整備と普及・浸透のための取組
1父親の子育てへの関わりや子育て期間中の働き方の見直しの促進(パパ・ママ育休プラスの導入)
2.長時間労働の抑制(改正労働基準法の確実な履行推進)
3.企業の取組の見える化の促進 など

●仕事と生活の調和に向けた企業の取組の後押しとしては
1.仕事と生活の調和を推進する専門家の養成による企業へ相談・助言
2.ポータルサイトやメルマガなどを活用した仕事と生活の調和の取組に必要なノウハウ・事例の効果的提供など

●働くことによる経済的自立に向けた雇用対策
1.非正規労働者経済的自立支援とセーフティネットの拡充
2. 若年者の就労・定着支援
3.いくつになっても働ける社会の実現

また来年は育児介護休業法や労働基準法も改正され、ワークライフバランスの実現に向けて政府の本気度が伝わってくるようです。

●育児介護休業法の主な改正ポイント(2010年4月施行予定)
・3歳までの子を養育する労働者に短時間勤務制度を設けること
・育児休業の取得期間を1歳2ヶ月までに延長。配偶者が専業主婦でも育児休業取得が
可能に
・介護のための短期休暇制度の創設 等

労働基準法の主な改正ポイント(2010年4月施行予定)
・月60時間超の時間外労働に関する割増賃金率を50%以上と義務付ける(*但し中小企
業は除く)
・月45時間超の時間外労働の割増賃金率を法定の25%から引き上げる努力義務が課される
・労使協定を結ぶことで、年5日までの年次有給休暇を時間単位で取得することが可能となる等

組合や企業で講演や研修があるたびに、「ワーク・ライフ・バランス憲章」について参加者に聞くのですが、「知っている」という人はまだまだ本当に少なく、浸透していないのが現状。また、中小企業の中には、厳しい経済状況の中で社員のWLBを支援する余裕のない企業もあるでしょう。
でも、こんな状況だからこそ、WLBについて組織も個人も本気で考える必要があるのではないかと思います。ぜひこのレポートをじっくり読んでみて下さい。