qualiadiversity’s diary

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女性が活躍するための12カ条

 前回紹介したハーバードビジネスレビュー6月号の特集「なぜ女性リーダーが少ないのか」の続きです。
アリス・H・イーグリー(ノースウェスタン大学 心理学部 教授)、リンダ・L・カーリ ウェルズリー・カレッジ(心理学部 客員准教授)の二人は、その論文のなかで、女性がリーダーとして活躍するためには、男性中心のこれまでの組織のあり方では限界があると述べています。女性の力を十分発揮させるためには、次のような仕掛けや環境作りが不可欠とのこと。

1.女性リーダーへの偏見がなぜ生じるのか、社員たちに理解させ、偏見の根幹にある意識を改めさせる
2.労働時間(で評価する)という基準を改める
3.人事査定からできる限り恣意性を取り除く
4.人材の採用に当たって、非公式の人脈や紹介に頼らず、公募や人材紹介会社を活用する
5.女性登用の形骸化を防ぐために、幹部クラスの女性数を一定以上に保つ
6.「チームの紅一点」という状況を作らない
7.人脈づくりを助ける
8.女性をライン・マネージャーに任命し、骨太の課題を与える
9.家庭との両立に配慮した人事制度や福利厚生を取り入れる
10.育児負担の重い社員の昇進については長い目で見る
11.女性の復職を歓迎する
12.家庭との両立を支援する制度の利用を男性にも促す
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 ただ単に女性の採用数を増やすとか管理職数を増やすというだけでは、女性の力を組織の力に変えることは難しいでしょう。それは活躍の基盤となる取組に過ぎません。特に2の長時間労働を評価するような環境を変えることや6のように、常に「女性が一人」という常態を作らないことは重要です。時間制約の中でいかに成果を出すか、ということを改めて評価基準として考えル必要があります。また、先日出席したハノイのグローバルサミットオブウィメンでも、1000人の女性達の中で少数参加していた男性達(主に企業のエグゼクティブや官僚などが多かったのですが)は小さくやけに緊張していました。マイノリティであることは想像以上に緊張感と孤立感を感じさせるのです。

 9の「骨太の課題を与える」ということも、後回しになりがちです。女性には重要な仕事を与えられない(できない)という思い込み。女性に出張や残業をさせるのは可哀想という配慮(優しい無知)。無意識に、女性を重要なパートナーとしてよりも男性をサポートしてくれる存在として見ている証拠です。重要な仕事を担っている女性達は、どこかの時点で挑戦を強いられ、冷や汗をかくような失敗をしたり、腹をくくるような決断をしたりという経験を持っています。組織の中で成長して行くには重要なことです。

 女性が真に組織の中で能力を発揮し活躍するために、この「女性が活躍するための12カ条」(原文は「女性活用12カ条」となっています)をしっかりと身につけてほしいものです。