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qualiadiversity’s diary

ダイバーシティ&インクルージョンな日々を楽しむヒントや情報を発信しています。

キャリアの迷宮

ダイバーシティマネジメント

 ハーバードビジネスレビューhttp://www.dhbr.net/は、いつも興味深い記事ばかりだが、最新号「逆転の人材開発論」はジェンダーダイバーシティに焦点をあてた特集を組んでいる。長年愛読しているが、いまだかつてこれほど女性活躍について多面的に取り上げた号があっただろうか。それだけ、日本のビジネス界で女性活躍が重要視されてきたのだと実感せずにはいられない。
とりわけ2007年のマッキンゼー賞を受賞した アリス H.イーグリーとリンダ L.カーリの論文は面白かった。

「なぜ女性リーダーが少ないのか」~「ガラスの天井」ではなく「キャリアの迷宮」が問題~というタイトル。

 ガラスの天井という言葉は、1986年「ウォールストリートジャーナル」紙のキャロル・ハイモウィッツとティモシー・シェルハートによって世に出されたという。「出世の階段を着実にあがってきた女性もやがて目に見えないバリアにぶつかる。経営陣の座まではあと少しなのにどうしてもこの「ガラスの天井」は破れない」という記事は、多くの読者の共感を呼んだ。
 しかし、アリスとリンダは「ガラスの天井」ばかりに目を向けると、より効果的な対策がなおざりになりかねないという。キャリアを追求する女性の前に立ちはだかる「迷宮」にこそ焦点を当てるべきなのだ。
女性の行く手を阻むものとは何か。両者が上げているのは次の4点。

1.偏見の名残
女性が企業トップになれないのはガラスの天井があるからではなく、あらゆる階層での差別が積み重なった結果なのである。

2.女性リーダーへの反発
女性」「男性」リーダーに対する一般的なイメージが女性リーダーを苦しめている。
一般に女性は社会性(情愛が深い、親しみやすい、親切、対人関係に期を配る等)が高く、男性は主体性(主張する、野心的、自信家、人の上に立つ等)が高いといわれている。そして主体性はすなわち優れたリーダーに求められる資質と見なされている。
そのため女性リーダーは大きなジレンマを覚える。社会性ばかりを全面に押し出すと主体性に欠けると批判される。主体性が強すぎると「協調性に欠ける」と言われる。
どちらにしても大きな権力を伴う仕事には向いていないと思われるのだ。

3.家庭との両立
多くの女性にとって、仕事と家庭をどのように両立させるかという問題こそ、最大の岐路である。

4.人付き合いや人脈作りが犠牲に
女性の多くが仕事と家庭の両立に苦慮するが、それによって犠牲にされるのが同僚とのつきあいや仕事上の人脈作りである。これらの活動は仕事に伴うものであり、社会で働く上での資産となるが、決して付随的なものではなく重要なものである。

 こうしてみると、女性管理職比率が5割になろうかというアメリカでさえ、未だに女性が十分に活躍しているとは言い難い現実に改めて驚かされる。以前、来日したダイバーシティコンサルタントの女性が、「ダイバーシティは終わりのない旅である。その道のりは進むほどに厳しくなる」と言っていた言葉が思い出される。ステージがあがるごとに新たな課題が見えてくる。女性達は、まさにキャリアの迷宮をさまよっているのだ。

しかし、アリスとリンダは言う。
「ただし、迷宮には中心へと向かう正しい道筋があり、それに従えば必ずゴールにたどり着ける。」

日本の女性達はまだ迷宮の入り口にも立っていないのかもしれない。大きく目を見開いて現実を見つめよう。そして鳥の目になって、迷宮を通り抜けるつづら折りの道を見つけようではないか。