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qualiadiversity’s diary

ダイバーシティ&インクルージョンな日々を楽しむヒントや情報を発信しています。

今日の自分にプラスワン

「4つのジンザイ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。企業が必要とするジンザイを、マインド(やる気・意欲)を縦軸に、スキル(能力・知識)を横軸に4つの漢字で表した言葉。マインドもスキルも高く成果を期待できる人。そういう人を「人財」という。文字通り、会社の中核を担う財産となる人たちだ。また、やる気はあって意欲は高いけれどまだ能力もスキルも身についていない。入社したての新入社員たちはこれからの「人材」だ。一方、マインドも低くその企業に必要とするスキルも能力ももっていない人は「人罪」という。明らかにミスマッチ。できればお引取り願いたい人たちだ。そして、長く仕事をしているから知識や経験、スキルはそれなりに身についているが、マンネリ気味でやる気や意欲がない、という人たちを、「人在」という。「ただ、そこにいるだけの人」ということだ。
最近多くの企業から一般職女性のキャリアデザイン研修の相談がある。女性の活躍を打ち出し、リーダーになる女性を増やそうとすると同時に、多くを占める一般職女性達の意欲とスキルを高めようというわけだ。一般職女性の中には、「現状維持を望み仕事の範囲を限定し、新しいことにチャレンジしない」という「人在」になってしまった女性社員が少なからずいるという。その層の女性達を何とかしたいという話をきくと、ようやくその気になったかと嬉しく思うと同時に、そう簡単ではないんだぞとも思う。
それは、これまでの会社の姿勢や方針は決して女性を活躍させようというものではなかったからだ。彼女達は最初から「人在」だったのだろうか。そんなことはない。最初は誰しも意欲に燃えて入社したはず。けれど、何年たっても同じ仕事。同期の男性と比べ仕事の指導や機会も少なく、10年先輩をみても自分と変わらない仕事をしている現実。上司の評価も期待も低く、「うちの女の子」とひとくくりにされる日々。彼女達の意欲を奪ったのは、会社のそんな姿勢ではなかっただろうか。長年、補助労働としての役割しか期待していなかった女性達に、突然「さあ、がんばってキャリアアップしましょう」といっても戸惑うばかりだ。まずは、これまでの会社の姿勢について反省するべきところは反省してもらいたい。そして彼女達への期待感をしっかり女性達に伝えてほしい。その上でキャリア研修を行ってこそ効果があるというものだ。
特に直接の上司となる管理職の役割は大きい。若い時の上司・部下の関係はその後のキャリア形成に大きな影響があるそうだが、女性は特にその関係に強く影響されるところがある。上司には、自己効力感(やればできるという気持ち)を生み出すような支援をしてもらいたい。自分もやればできるんだという自分に対する信頼が、一歩踏み出す勇気につながる。上司の肯定・承認・はげましは何よりも彼女達の原動力となる。ぜひ女性部下を動機付ける働きかけをお願いしたい。
自己効力感を感じることができると、さらに成長するために、一歩を踏み出す行動につながっていくことは明らかだ。
「今日の自分にプラスワン。」キャリア研修を受けた女性達はみな、明るい顔で帰っていく。ただそこにいるだけの「人在」になりたい人なんて、どこにもいないのだ。