qualiadiversity’s diary

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女性未活用企業はどこへいく?

 大阪府主催の「ワーク・ライフ・バランス推進ワークショップ」の3回目が終了しました。今回は、自分達で考えた解決策を実行するための解決策を検討するというもの。
課題や解決策の立案までは行くのですが、いざ実行となるとなかなか大変です。行動計画をしっかり作り込み、実施のイメージを明確にすることが実践につながっていきます。そこで、いつ、だれが、何を、どのようになど5W2Hを書き込んで行動計画表を作成してもらいました。中小企業がワーク・ライフ・バランスを推進する秘訣は、手がつけやすく、コストがかからずなおかつ効果が見えやすいものを優先的に実施することにあるようです。

 今回のワークショップには、なんと富士通総研の渥美由喜さんが参加してくださいました。中小企業のワーク・ライフ・バランス推進の事例を豊富にお持ちの渥美さんのアドバイスはとても的確で、企業の皆さんも大変参考になったと喜んでいました。いろいろ面白い話をお聞きしたのですが、女性を活用している企業とそうでない企業は、考え方がまるで違うという話にはとても共感しました。

 曰く、従業員の賃金カーブと企業への貢献カーブを図(上図参照:クリックして拡大)で表すと、女性を活用している企業は、「入社当初は、賃金カーブの方が貢献カーブを上回っているが、年齢が上がるに伴い、賃金カーブよりも貢献カーブが上回るようになる。経験や知識、能力が高まり支払う賃金よりも貢献(成果)の方が高くなるから、長く勤めてもらった方が企業のメリットは大きい」と考えているそうだ。一方女性未活用企業では、「女性社員は入社から年数が経っても、貢献カーブはさほど上がっていかない。常に賃金カーブよりも貢献カーブが下回り、その乖離(かいり)は年齢が上がるにつれて、広がっていく。しかも、子供を持ってからは、貢献カーブは落ちていく」というイメージを持っている、とのこと。自社がどちらの企業であるかを把握することはとても重要で、それによってワーク・ライフ・バランスを推進する戦略はずいぶん違うものになるということです。

 うん、うん。とっても納得。そうなのよね。女性に対するこのような見方が、女性の意欲をどれだけ阻害していることか。女性が当たり前に活躍している企業は、本当にうまく女性の能力を引き出し、企業の成長・発展につなげていますね。結婚や出産をマイナス要因と考えずに、むしろ人間の幅を広げる機会と積極的に捕らえているようです。北欧では、育児休業明けの女性社員がすぐに昇格・昇進することも珍しくないとか。そろそろ未活用(この表現もあんまりよろしくないですね)企業は発想を変えないと、本当に衰退企業になってしまうんじゃないでしょうか。