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qualiadiversity’s diary

ダイバーシティ&インクルージョンな日々を楽しむヒントや情報を発信しています。

社会企業家の先駆け ムハマド・ユヌス氏との出会い

10周年記念個人的お勧め書籍第4弾

数々ある奇跡の出会いの中でも、この人との出会いは「宝くじは買わなきゃ当たらない」という私の信念を決定づけた。
アポなし突撃面談が実現しただけでも奇跡なのに、見ず知らずの初対面の私のなんとも無謀なオファー(日程決め打ち、報酬どころか交通費も自腹でお願い)をいとも簡単に「OK!」と引き受けてくれたユヌスさん。
2007年、ノーベル平和賞受賞直後、韓国の会議で再開を果たしたユヌスさんはちゃんと私のコトを覚えていてくれていたのもうれしかったな~。

ムハマド・ユヌス自伝
2001年に金融機関と女性起業家をつなぐ国際シンポジウムを企画中、女性に融資をするバングラディシュのグラミン銀行を知った。その創設者ムハマド・ユヌスさんをおよびしたらどんなに素敵だろう、と考えた瞬間からその実現に向けて動き出していた。そしてわずか1週間後、奇跡のような出会いによりユヌスさん本人から直接快諾を得ることができたのだった。

何かをやるとき、誰でも恐れや不安があるものだ。でも最初の小さな一歩を踏み出すだけで、夢はぐっと現実に近づいてくる。

「できる・できない」ではなく「やるか・やらないか」だけ。ユヌスさん自身がそれを体現した人だからこそ、初対面の私の申し出に快く応じてくれたのだろう。

早川書房 :1998年
ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家

魔女との出会い

フェミニズムに関心のある人なら一度は聴いたことがあるだろう。今では伝説にもなりそうな、アメリカの女性解放運動家ベティ・フリーダン(1921~2006) 。その実物にお目にかかったことが、私にとってのセレンディピティの始まりだったのかもしれない。
すでに74歳になっていたベティの優しいけれどするどいまなざしが今でも脳裏に焼き付いている。

○新しい女性の創造
 1995年、北京で開かれた第4回世界女性会議。世界中から3万人とも5万人とも言われる政府関係者、NGO・NPO関係者が一堂に集まり女性問題(懐かしい言葉だ)について話し合う場に、働く女性を支援するNPOの一員として「女性の再就職・M字型カーブ」をテーマに参加した。当時の北京はまだ人民服や自転車であふれかえっており、会場も建設が間に合わず急遽テントを張って行うという荒っぽいものだったが、世界中から集まった女性達で熱気にあふれていた。
ワークショップが終了し、記念写真を撮ろうと集まっているとなにやらざわめく周囲の人たち。目の前を、黒いドレスをきた魔女のような女性を中心とした一団が通り過ぎていく。メンバーの一人が叫んだ「ベティ・フリーダンじゃない!」
なんと、Feminine Mystique (邦題:新しい女性の創造)」の作者にして、アメリカの女性解放運動の第一人者のベティ・フリーダン、その人だった。

できあがった写真は、全員満面の笑みで前を向いているのに、私だけが後ろを振り向きあっけにとられて彼女を見つめていた。彼女の姿をその目にしっかり焼き付けておくんだという意志の現れでもあったか。
 時代を動かしてきた女性と同じ場に身をおいていることに身震いするとともに、何をするためにここまでやってきたのか、強く意識した瞬間でもあった。

1986年(新装版 初版1965年)ベティ・フリーダン 大和書房
http://ur0.link/u6kT

書籍紹介 女縁が世の中を変える

クオリア設立10周年パーティで、専業主婦だった私がパートから正社員を経て、2つの会社を設立し今に至るまでに影響を受けた書籍を紹介しました。

そのままにしておくのはちょっともったいないので、ここで紹介します。
まずはこの1冊。

○「女縁」が世の中を変える
 専業主婦をしていた私が社会復帰するきっかけを作ってくれたのは希代のフェミニズム学者上野千鶴子である。当時、二人の子どもと一緒に、家→公園→スーパー→家→公園→スーパー、という「魔のトライアングル」をグルグルしながら、楽しくも脳みそがとけていくような不安を抱えていた。そんな日常の中で、ふと目にとまったのが上野千鶴子氏の講演チラシ。上野千鶴子フェミニズムも全く知らなかったが、「脱専業主婦」という刺激的な言葉に惑わされ、ふらふらと聴きに行ったのが運のつき(いや、運の始まり)。このことがきっかけで私の人生は大きく舵をきったのだなあ、と今にして思う。
上野センセイは人生の羅針盤のごときお方。あのくらいスパッと毒舌を吐きたいものだが、とうてい及びそうもない。

1988年 上野千鶴子編集 日本経済新聞社

アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)にアンテナを立てる

ダイバーシティインクルージョンの肝とも言えるのが、多様性に対する柔軟で楽観的な思考スタイルをどう維持できるかということ。こり固まったメンタルモデル(認知的枠組み・モノを見る世界観)に気づき、それを手放すことは多様性を活かす上で不可欠なことだ。
最近、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)トレーニングのニーズが非常に高まっているのも、このメンタルモデルが強固に組織の中にはびこっているからだろう。
少し前のガーディアン氏にクリスティーヌ・ラガルド氏のコメントが掲載されていたので紹介したい。女性自身が持つ無意識の偏見(女性にはリーダーは無理、私はにはできない)をまず捨て去ろう、というメッセージをしっかりと受け止めよう。

---以下、クオリア訳---

・無意識の思い込みがもたらすもの

私たち女性は自らに染み込んだ思い(自信の無さを含め)そのせいでチャンスを逃し、トップへの道をあきらめてしまっている   

クリスティーヌ・ラガルドはかつてフランス有数の企業から女性ではパートナー(共同経営者)になれないと警告されたことがあります。

無意識での思い込みは人生のあらゆる面に影響を及ぼします。私たちは意識せぬまま、自分と似た外見、考え方、バックグランドを持つ人々を好む傾向にあります。誰もが自分は寛容で客観的な人間と思いがちですが、人が自身や他人をどう理解し評価するかは、家庭環境、文化、過去体験から形成される個人の考え方・価値観に大きく影響されます。これはさまざまな研究が実証済みです。
時間をかけて蓄積された思考パターン、推論、解釈(あるいは思い込み)は、情報を素早く効率的に処理するために有用な側面もあります。生死のかかる局面では、思い込みはひとつの長所・不可欠な特質でさえあります。しかしビジネスにおいてはその代償は大きいものです。客観性に欠ける決断、究極的にはチャンスを逃すことにつながりかねないからです。

Lord Davies(英国貴族院議員)による最近の報告では、FTSE100企業の全取締役に占める女性の比率は20.7%となっています。2011年の12.5%から大きく改善しているものの、両性の平等というにはほど遠い状況です。この背景にあるのは、男性だけでなく女性自身もが持つ無意識の思い込みであるといえないでしょうか?
私たちが抱く野望もまた、既存の「ものさし」を反映したものとなりやすいのです。現在重要な役割を担う女性が少数派であるという事実によって、女性たちはキャリア構築にあたり、無意識のうちにトップを目指すことから後ずさりしていないでしょうか。思い込みのかたちも様々で、成功するにはもっと男勝りでなければと考える人もいれば、自らの能力や強みに疑問を持つ人もいます。
こうした思い込みはまた、クリスティーヌ・ラガルドIMF初の女性トップ)のようなロールモデルとなる女性たちについての記事で助長されることもあります。ラガルドは最近になって、フランス有数の企業から女性ではパートナーになれないと言われた自らの体験を明かしました。「ラガルドでそうなら、自分も同じ目にあうに違いない」との思いに至るのは容易でしょう。
このような思い込みは、失敗への不安を和らげてくれる一方で、私たちが持つ真の可能性を遠ざけてしまうことにもつながります。それでは、どうするべきなのでしょうか?
Newton Investment ManagementのCEOヘレナ・モリッセイ(Helena Morrissey)は、「多様な考え方と視点が必要ということに尽きる」と考えています。そしてその多様性を持つため、企業は自社の優秀な女性従業員に投資し、職位を上げながら育てていくべきだと語っています。
クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde) も同意しています。「今は、会議室で私以外は全員男性という場合がほとんどですが、これでは組織全体を動かすのは難しいでしょう。私の存在が組織を変えられる時というのは、中間管理職やその上級層に女性が増え、マイノリティである彼女たちを私が支援することで、彼女たちが働きやすくなり、自信を持ち、思い込みを振り切ることができるようになる、その時なのです。」 

しかし本当の変化を起こすためには、女性もまた自ら持つ無意識の思い込みに目を向け、害となりうる考え方を捨て去らねばなりません。
思い込みは内に宿ります。私たち自身から生まれるのです。企業文化に目に見える変化を望む前に、まずはそれが十分に理解されなければなりません。

私たちは先入観を捨て、新しい考え方を学ぶ必要があります。ロールモデルとなる存在が身近にいなければ、優れたリーダーの特質を自ら定義し、それを目指していかなければなりません。 

http://www.theguardian.com/women-in-leadership/2014/may/01/unconscious-bias-women-holding-back-work

By Trang Chu Thursday 1 May 2014 07.30 BST
Trang Chu is an executive coach and founder of Tallgrass Leaders. Prior to founding Tallgrass Leaders, she was a managing director at Deutsche Bank and Merrill Lynch.

ビジョンを創るということ

ある組織のビジョンづくりについて、年末からずっとSkypeでダイアローグを続けています。その内容がとても濃くて毎回ものすごく楽しい時間となっています。

チョー発散系の私を自由に泳がせてくれるおおらかさがありつつも、大きな川の流れのように決してそこから離れることなく、大河に近づく感覚があります。

独りよがりにならず、かといって熱を忘れずに。
誰かのビジョンをただ共有するのではなく(ビジョン共有)、それぞれのビジョンと照らし合わせながら創発的なビジョンを創り出す(共有ビジョン)を常に意識したいもの。


アンガージュマン(政治的・社会的参加、態度決定 エンゲージメント)
レジリエンス(復元力)
ブリコラージュ(寄せ集めて物を作る、創造性と機智が必要)
ソーシャリズム社会主義
コアリション(提携・連立)

荒削りだった言葉が磨かれて結晶化していく様が非常に刺激的でワクワクします。

昨日のMTGで一番心に響いたのは、アダム・カヘンの「手強い問題は対話で解決する」の一節。

あなたがソリューションの一部でなければ、あなたは問題の一部である。
ただし、あなたが問題の一部でなければ、ソリューションの一部にはなれない。

深いです。さて、どんな結末を迎えるやら。
第二章がうまく始まるような捨て石になれるとよいなと。

女性のためのキャリアカウンセリングとは

 働く女性を支援するNPOに勤めていた1990年代後半、女性のための再就職支援から起業支援やキャリア形成支援にシフトし、女性のためのキャリアアドバイザーを養成しようといろいろ調べていた時期がある。キャリアアドバイザーやキャリアカウンセラー、コーチングなどの言葉が聴かれるようになったのもこの頃だ。しかし、書籍、資料のほとんどは男性のキャリア形成支援が中心で(男性とは書かれてはいないが明らかに男性向けだった)、ジェンダーの視点や女性のライフイベントに言及したモノは少なかった。その中で、唯一、性差や性役割に基づくキャリアカウンセリングのポイントをしっかりと記述していたのが「ライフキャリアカウンセリング?カウンセラーのための理論と技術」(ノーマン・C。ガイスバース他著;生産性出版)である。

 最近あることがきっかけで改めて読み返してみたが、やっぱり良い本だ。女性のみならず男性の性役割についても、本質的な部分がしっかり書かれていて今でも本当に役に立つ。
忘れないために防備メモをとる。印象に残ったのは次のような内容。


第4章 性という視点からとらえたキャリアカウンセリング?女性の人生の選択肢の拡大から

・男性の生き方は仕事中心であり、競争における業績と優位性が重視される
・女性の生き方は、他者との関係及び結びつきが中心
・クライエントの性的背景を理解することは、効果的なキャリアカウンセリングを行う上で非常に重要                           P72

・カンター(*ハーバード大のロザベス・モス・カンター教授)は組織や施設が女性労働者を4つの女性的役割はめ込む現象があるという。それは、母、子ども、鉄の女、性的対象。
このような役割の一つ一つによって、女性の職業能力は軽視され、職場における差別構造が助長される。P77

〇女性性特有の5つの問題 P82~
1.数学の回避
年齢が上がるにつれ、男子生徒の方が数学の成績が良くなる傾向にあるが、性による遺伝的要素が数学的能力に関与することは証明されていない。数学は女性にとって「重大なフィルター」であり、その回避は長い間キャリアの選択肢を制限してきた
2.成功の回避
女児及び女性は自分の能力を徹底的に過小評価する。女性は現在の能力のみならず、将来的な目標達成や成功に対する期待感も引くことがわかっている。過小評価の傾向は、客観的にみて女性の成績が男性より優れている場合も同様にある。
3.伝統的でない職業に対する自己効力感の低さ
男性が大勢を占める分野で、軋轢や問題に取り組んだ人物の存在(ロールモデル)は、女性達にとって大きな励みになる。実際に女性教授の指導を受けた女子大学院生達は自信とキャリア指向が強いことが報告されている。
4.人間関係の重視
男性は発達するにつれ、自己を明確にし自己に権限を与えながら独立していくのに対し、女性の場合、発達とは絶えず人間同士を結びつけるプロセスであり、それによりコミュニティを形成し維持するのである。
ほとんどの職場環境では、女性が尊重するよう教えられてきた関係維持とコミュニケーションの能力は、評価されることはなく、このような能力が金銭的な利益に繋がることもない。
5.役割葛藤
舵と職業という2つのフルタイムの仕事を抱えることは、女性労働者にとって大きな重圧となっている。

フェミニストアイデンティティ発達の5つの段階 P89~
第1段階 消極的受容
クライエントは社会に内在する性的偏見と性差別を消極的に受容し、それが正しいと考える。この段階では男性の優位性を唱える伝統的な性役割の受容が見られる
発言例:女性は職場で責任ある立場につくべきではない。女性はリーダーに向いていない。
第2段階:新事実の発見
ある出来事をきっかけに女性の抑圧の不当性を認識する。クライエントは、自分の過去の行動と認識不足に罪の意識を感じる
発言例:自分をフェミニストだと思ったことはないが、今回昇進のチャンスを逃したことをきっかけに、能力や実績に基づいて昇進が行われているのではないことに気づいた。
第3段階:とわれれ?開放
この段階の特徴は、すべての男性をネガティブに、全ての女性をポジティブにとらえるというもの。性の二分化。男性を敵対視し、女性同士で結束する。
発言例:男性は信用できない。もう見切りを付けた。もっと女性を重視する職場を探している。
第4段階:統合化
女性は男性を抑圧的グループとしてではなく、一個人として評価するようになる。田の女性達を尊重し、女性の生活に影響する内外の要因について認識する。
発言例:今まで自分の能力を過小評価していた。今まで素晴らしい上司も権力を濫用するするひどい上司もいた。このような経験で悪質な上司はすぐわかるようになった。
第5段階:積極的コミットメント
この段階に達したクライエントは、自分の運命の方向付けと有害な環境要因の改善にたいし、非常に積極的な役割を果たそうとする。
発言例:変化を起こすのは自分次第だという結論に達した。私に必要なのは、女性にも男性にも個人的にも社会的にも変化をもたらす仕事であること。

〇キャリアカウンセリングのヒント
性的偏見に満ちた考え方に挑戦するとともに、真のキャリア意思決定を実現するための情報を提供すべきである
?職業に基づく伝統的な性の役割のプラス面とマイナス面を女性に伝える
?性的偏見に基づく自己効力感を変える方法をクライエントに教える
?数学と科学の継続学習が重要出ることをクライエントに伝える
?女性の特質を評価する:関係内自己の理論をキャリアカウンセリングに統合する

女性が働く事が当たり前になり、さらに能力発揮が期待される今だからこそ、改めて社会的な性差(ジェンダー)や性役割を理解した上でのキャリアカウンセリングが重要となるのだ。

女性リーダー輩出のキーワードは、スポンサーシップとビジネスケース

リクルートワークス127号の第二特集は
米国レポート「女性リーダーが育つ企業で、今議論されていること」

4月の欧州企業に続く第2弾です。

焦点は「スポンサーシップ」というタイトルに、やっぱりそうでしょ!とにんまりする私。つい先日も日経ビジネスオンラインでコラムが掲載されたばかり(ちなみに取材受けました(^_^))。

スポンサーシップとは、能力や人間性に対する信頼を元に、そのキャリア構築を支援するために、スポンシー(スポンサーされる人)自身と周囲に働きかける思考と行動と定義できる。(P27)
日本では、まだメンター制度さえ十分広まっていないが、女性リーダーを育てるためにはメンタリングだけでは限界がある。なぜなら、メンターは個人の成長に力点をおき、社会心理的機能、キャリア支援機能を担うものであり「Talk to you」あなたと話そうというもの。一方、スポンサーは、キャリア構築のためのパートナーであり、機会を与え門戸を開く「Talk about you」あなたについて話そう、というものであり、日常的な会話の中で、スポンシーの能力や実績を証言し、そのポテンシャルを保証して、周囲を説得する役割が求められる。(p28から引用)

スポンサーシップは自然発生的でなければならない。強要されるものではないのだ。だからこそ、スポンサーの目にとまるような取り組みが必要となる。ワークスで女性育成の重要課題としてあげられているのは、以下のような取り組み。
・経営層・上司の無意識のバイアスを取りのぞく
・成果が出れば評価されるホットジョブを女性にアサインする
・スポンシーの目につくように女性のビジビリティをあげる
・女性に影響力あるスポンサーがつく

今回、最も腑に落ちたのは、女性リーダー育成には必ず「ビジネスケース」をつけル必要があるということ。このビジネスケース、10年以上前からその重要性を感じていたのだが、どのように説明すればわかってもらえるか悩み続けていた。日本ではまだなじみのない言葉で、ケーススタディと間違えやすいこともあり使用を避けていた。それを非常にわかりやすく解説してくれている。

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ビジネスケースとは、事業を含めた企業の中の活動がもたらす結果(やその想定)を伝えるために、計画の立案や意志決定の場で用いられる”収支計画書“である。(P38)
つまり、女性リーダー育成がビジネスに効果をもたらすものだという実績を表すことを意味する。「女性が購買の意志決定者になることが多いから、女性の意見を意志決定に取り入れることが重要」という話は、典型的なビジネスケースといえる。しかしこれだけでは、BtoB企業の説得力としては弱い。ビジネスケースを成立させるにはファクト(数字)が重要だ、とワークスでは述べている。

この、定性的・定量的なデータが少ないことが日本の大きな課題だろう。ファクトを明らかにするにはアンケートやデータの収集・分析など多様性のもたらすメリット明確にしなければならない。
しかし、最近では大和証券朝日生命カルビーのように女性リーダー育成をデータや実績をもって語れる企業も出てきている。カルビーでは、育児中の短時間勤務の女性を執行役員に抜擢しその部門の業績を上げ続けている。大和証券は様々な収益データを緻密に分析し、多様性がある(女性を活躍させている)企業の収益性が高いことを証明している。

また、ワークスに登場する米国企業は、ロッキード・マーティンバクスター、シスコ、IBM、アーンストヤングなど決して女性をターゲットとした企業ではない。従業員や消費者に女性が多いから取り組むというレベルの話ではない。

「うちの会社は特殊だから」「うちでは無理」「女性がやりたがらない」「能力ある女性がいない」という企業の本心は、単にやりたくないだけなのだ。


どんな産業に属する企業でも、女性リーダー育成をビジネスケース化できる。
「購買意志決定者が男性だから」という良いわけは、もはや通用しない。それが世界の潮流である。(P39)

本格的な女性リーダー輩出の兆しはもうそこまできている。

それでも取り組まない企業にはこう聞きたい。

「あなたの会社に未来はあるのか?」