qualiadiversity’s diary

ダイバーシティ&インクルージョンな日々を楽しむヒントや情報を発信しています。

リーダーシップは危険だけど魅力的

あることがあって、久しぶりに読み返した、ロナルド・A・ハイフェッツの「最前線のリーダーシップ」~危機を乗り越える技術~。                                                                                                                                      

 リーダーシップには危険がいっぱい。困難な状況のなかで心の活力を保つにはどうすればよいか。改めてかみしめたいフレーズを備忘録的にメモしておきます。

なぜ、わざわざ波風立てるのか、これを成し遂げることをそれほど渇望するのか。

自己嫌悪、自己防衛、自己欺瞞、自己憐憫。理想のリーダーとはほど遠い自分の姿に傷つき心折れよろめきながらも、なお前に進むのはなぜか。

 

――神聖な心を保つことは、自分にとって意義あることを追求しながら、なおかつ無邪気さ、好奇心、哀れみを維持することである。――

深く心に留め置きたい言葉。

 

・リーダーシップを取っている人は締め出される 

リスク1 脇に追いやられる

リスク2 注意をそらされる

リスク3 個人攻撃される

リスク4 誘惑される

★リーダーシップは、変革に伴う痛みに敬意を払い、危機の兆候を認識するだけではなく、その危機に対応するスキルを必要とする。

 

<リーダーシップを発揮しながら生き延びる5つの方法>

方法1 全体象をつかむ

・バルコニーにあがり、出来事の背景にある力学に気づく

・技術的な問題と適応が必要な問題を見極める

・人々の立ち位置を知る

・言葉の奥に潜む「歌」に耳を傾ける

・権威者の行動を読む

 

技術的な問題---上に立つ人、権威ある人が既存の知識を適用する 

適応を必要とする問題---既存の問題を抱えた人たち自身が新たな方法を学ぶ

 リーダーシップは即興芸術である。包括的なビジョンや明確な価値観、戦略的プランがあったとしても、それは何の役にも立たない。効果的なリーダーシップのためには、目の前で起こっていることにうまく対処しなければならないのだ。自分自身のリーダーシップを維持するには、何よりもまず自分と自分が起こした行動によって何が起こっているのかを、その出来事が起こっている最中に知る能力がなければならない。

 

方法2 政治的に考える

視点1 パートナーを見つける

視点2 反対派を遠ざけない

視点3 自分が問題の一部であったことを認める

視点4 喪失を認識する

視点5 自らモデルとなる

視点6 犠牲を受け入れる

方法3 衝突を指揮する

グループ内において難問に取り組むとき、衝突は免れない。深刻で根深い衝突が発生するのは、強い思いが込められた別々の信念が組織の中に存在するからであり、そうした異なる視点は進歩の強い原動力となる。

リーダーシップを発揮する際に重要なのは、適応の作業を促す際に、別々の相違、熱意、衝突に取組み、またそれらの破壊的側面を最小化し、建設的なエネルギーを確保することだ。リーダーの仕事は、衝突を指揮することであり、人と衝突することではない。

1.適応を促す環境を確保する

 衝突の隠蔽(Yesを言いながらNoをする)という状態にないか?

 ミスや衝突を許容する場の創出が重要

2.熱気を調整する

  熱気は高すぎても人々は嫌気がさし、熱気を完全に押さえてしまいたくなるし、低  

  すぎても何も変化が起きなくなってしまう。「建設的な苦痛の範囲」をどうコント

  ロールするか。熱気の上げ方、下げ方を知る必要がある。

3.ペースをつくる

  急激な変化は反発を招く

  我慢強く情報をコントロールする

  将来像を見せる

  

方法4 当事者に作業を投げ返す

問題を引き受けず一歩引く勇気を持つ。

介入は短くシンプルにとどめる。観察する・問を投げかける・見解を示す・行動に移す

 

方法5 攻撃を受けても踏みとどまる

 自らの指導力を傷つけないやり方で、非難や怒りを甘んじて受けられるようにすることは、リーダーシップを発揮する際の課題の中でも、特にやっかいなものである。非難を受け止める能力を高めるためには、経験を積む必要がある。あなたの周りが怒りや緊張で煮えたぎっている時でも、自分自身を慎重に冷静に保てるように何度も訓練しなければならない。

友人や支持者からの非難は、反対勢力からの、ののしりよりもつらいことがある。

怒りを受け入れるのは神聖な仕事であると心得る。

自分が取り組んでいることに情熱を傾ける活動的な人々は、典型的には忍耐力をあまり持っていないことは確かだ、機が熟すまで行動を遅らせることは重要。

手強い問題に人々の注意を向けさせることは、こみいった難しい仕事である。

 

リーダーシップを発揮することは、あなたのイキイキとした活動を表現することである。しかし人々が心を失い自己防衛に走ると次のようなことが起きる

 

心の本質は無邪気さ、好奇心、哀れみだが、心を失うと、皮肉、傲慢。冷淡になる。そして表面的には 現実主義者、権威ある知識人、経験豊富な人 という名前をまとう。

 

https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%89%8D%E7%B7%9A%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC/dp/490324170X

 

ダイバーシティの成功には、マネージャーの主体的な関わり・交流・社会的説明責任の付与が不可欠

HBR 2017年7月号の特集は「生産性」
これも気になるテーマなんだけど、やっぱり私はコチラです。

2016年のマッキンゼー賞受賞論文
「差別の心理学:ダイバーシティ施策を成功させる方法」...
ハーバード大学教授 フランク・ビドン
テルアビブ大学准教授 アレクサンドラ・カレフ

ここ1年以上にわたり、定期的に掲載してきたアンコンシャスバイアス関連記事の集大成のような内容。
これを読まずしてダイバーシティを専門にしていますとは言えません(^_^;)

1990年代末から2000年代初頭にかけて、金融業界を中心に複数の訴訟騒ぎがおき、企業はダイバーシティに一層配慮するようになった。(例:この15年間でメリルリンチが支払った訴訟総額は5億ドル近くに及ぶ)

それによりダイバーシティ研修などの取組は拡充されたが、結局のところ平等化は進んでおらず、ダイバーシティの取組の大半はダイバーシティを高めていない。
基本的には1960年代から使ってきた旧態依然としたアプローチで何度も何度も勝負に出ているだけなのだ。この手の手法は事態を改善させるどころか悪化させるコトの方が多い。

強制的手法は偏見を根絶するどころかむしろ強化しかねない。人間は自らの自律性を主張するために、規則に反発することが多い。取り締まりをゆるめた方が、よい結果が出ることが分かった。
・マネージャーが業務中に女性やマイノリティと接触する機会を増やすこと
・社会的説明責任を醸成してマネージャーが公平な人間だと思われるように仕向けるコトの方が効果的。

効果のなかった研修
・強制的なダイバーシティ研修
・応募者への登用試験
・苦情申し立て制度

効果のあった研修
ダイバーシティ推進特別チーム
・メンタリング
ダイバーシティマネージャーの設置
・任意参加の研修
・女性を対象としたカレッジリクルーティング制度

マネージャーに協力させるための方法は、①マネージャーにダイバーシティ問題の解決に当たらせる、②マネージャーと異なる集団に属する人々が接するようにする ③変化のために社会的責任を奨励する 

・関与
信念と行動が一致していない人は、「認知的不協和」を経験している。信念か行動のいずれかを変えることで不協和を「修正する」傾向がある。したがって、特定の見解を支持するようなやり方で行動するように人々に促すと、彼ら/彼女らの意見はその見解の方に近づくのだ。
*メンター制度は最も効果的

・交流
集団間の交流によって偏見が減少しうることは、第二次世界大戦中の欧州戦線で実証された。
マネージャー研修生に様々な部署を経験させたり、横断的なチームで行うプロジェクトのような自己管理チームは効果的

・社会的説明責任
周囲に良く見られたいという人間の欲求を刺激することで効果がある。CEOをトップとするダイバーシティ推進特別チームの設置は、社会的説明責任の醸成に役立つ。
ダイバーシティマネージャーをおく方法も、社会的説明責任醸成によって、社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)を強化する。

強制的に取組に参加させ、実践に移さなければ罰するというやり方では、人々を動機づけるコトは出来ないのだ。

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あなたは、傲慢なリーダーになっていないか?

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HBR2017.06号でもう一つ気になった記事を紹介します。

なぜ人は昇進すると横柄になるのか
権力のパラドクスを回避する3つの方法
カリフォルニア大学バークレー校 
教授ダッチャー・ケルトナー

小さいとはいえ、社員を雇い社長を名乗り、いくつかのNPOでは理事という経営の一旦を担う役割を持つ身としては、自戒を込めての(^_^;)、エグゼクティブサマリーです。
----*----*----*-----*---*
・人は通常、共感、協働、偏見のなさ、公平さ、分かち合いなど、他者の利益を増進させる特性や行動によって権力を得る。しかし、自分に力があると感じたり特権的な立場を享受しはじめるとこうした資質は影を潜めるようになる。
ーー権力は腐敗するーージョン・アクトン卿

・人は自己の長所を土台にして出世するが、立場が上になるほど、タチの悪い行動を取るようになる。
クッキーモンスター実験 
三人一組のメンバーから無作に一人を選びリーダー役に指名する。グループで文書を作成する作業を30分やってもらい、その後焼きたてのクッキーを一人一皿、そしてもう一皿1枚余分に出す。みんなが遠慮する中2枚目に最初に手を出すのは、必ずといって良いほど、リーダー役に指名された人だった。

・調査研究で以下の点が明らかになっている
裕福な人は、賄賂や脱税など非論理的な行為に手を染めることは許容されると答える確率が高かった。
MBA保有しているCEOはそうでないCEOよりも、自分の報酬は増えるが会社の価値が下がる原因となる利己的な行動をとる可能制が高い

・権力のパラドクスを避けるための自覚と行動とは

1.自己認識を広げる
 権力を得ると、人は一種の躁状態になる。気分が高揚し、エネルギーにあふれ、報酬を渇望し、自分は全能であり、リスクを取っても平気である、と。そして、向こう見ず、無礼、非論理的な行動につながる

このような考えや感情と向き合うだけで前頭葉のある分野が動き出して、最悪の衝動を抑制しようとする。
自己認識は、日々マインドフルネスを実践することで身につけられる。静かな場所で深呼吸をする、自分の身体感覚、周囲の音に集中する。
自分の立ち居振る舞いをよく考えるコトも重要。
あるケーブルテレビ局の脚本チームは偉い順に昼食のサンドイッチを配る。米軍食堂では逆、部下から先に配る。自分の部隊への敬意を表すために

2.共感、感謝、寛大さを実践で示す
米上院本会議で共感を示す表情や声の調子でスピーチを行った議員は、傲慢で威嚇的な態度で話した人よりも可決された法案が多かった。
ささやかな形で感謝を伝えることもポジティブな結果を生み出す。
グループのメンバーと「シェア」する人は、尊敬を集めて影響力を持つのに値し、リーダーにふさわしいと見られる。

共感を実践する方法
・話をする際に的確な質問を1つ、2つ投げかけ重要なポイントを自分の言葉で言い換える
・いかにも楽しそうに人の話を聞く
・問題を抱えた人がきたら、残念ですね、それは本当に大変でしょうと、心配しているコトを伝える、急いで判断したり忠告しない
・事前に少々時間を取り、これから会う相手の状況やどんな人かを考える

感謝の気持ちを実践する方法
・心を込めて感謝を伝える
・よい仕事をしたときは、それを特に取り上げて高く評価したメールやメモをタイミングよく出す
・裏方も含めてチームに貢献した各人の価値を公に認める
・背中をポンとたたく、グータッチ、ハイタッチなどその場にふさわしい身体接触を使って成功を祝す

寛大さを実践する方法
・部下と1対1で話すチャンスを作る
・重要で注目されている職務を任せる
・ほめるときは惜しみなくほめる
・注目を独り占めせず、チームと組織への成功に寄与した全員を正当に評価する

ネットの差別をなくすための二つの原則

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ここ2年ほど、HBRではアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に関連する記事をよく見かける。
ビジネスにおける不公平・不平等、差別や格差の奥底に、無意識の偏見や差別の構造が潜んでいることに改めてアンテナを立て、排除する仕組みを作ることが求められています。
 
「ネット市場の差別をどう解決するか」
ボストン大学教授 レイ・フィスマン ハーバードビジネススクール助教授 マイケル・ルカの記事より(ハーバードビジネスレビュー2017年6月号P16-P26)
 
 eコマースの台頭により、インターネットは差別を終わらせるどころか、差別の発生源になっていることが明らかになった。不利な立場の人々は、ネット上で自分の素性が明らかにされてしまうため、オフラインの世界で長年立ち向かってきたのと同じ困難に多数直面している。差別をしたい人は、一度も顔をあわせたことのない相手を差別の被害者にすることも可能だ。
 
短期宿泊用のマーケットプレイスAirbnbは、オンライン市場で差別が台頭している。黒人らしい名前は白人らしい名前に比べリクエストを承認されるケースが16%少なかった。
黒人らしい名前のリクエストを断ったホストの大半は過去に一度も黒人に貸していない。
(*Airbnbは、この調査結果や批判の高まりを受け、差別を減らす改善策を講じた)
 
アルゴリズムが生み出す差別は、人間なら避けたであろう形で起きている。
グーグル広告で人種がどのような役割を果たしているか調査したコンピュータサイエンス教授ラターニャ・スウィーニーの調査では、アフリカ系米国人によくある名前(例:デショーン)と白人によくある名前(例:ジョフリー)を検索し、その検索画面に表示された広告を記録した。その結果、黒人らいし名前を検索した方が、過去にあったかもしれない(自分の)逮捕歴を調べるよう勧める広告が多く表示された。 
これは、アルゴリズムが、ディショーンを検索する方がより逮捕に関わる広告をクリックする(したがってグーグルに収益をもたらす)可能性が高いと判断した結果である。
 
オンライン市場の設計に際して差別防止の指針となる原則は次の2つ。
1.差別の可能性に目をつぶってはならない
 ・利用者の人種と性別に関する定期的なリポートの作成
 ・自社プラットフォームにおける人種・性別グループごと
  の首尾をはかるための尺度の設置
2.実験的な思考様式を維持する
  差別の増減に影響を与えそうな選択肢を他の介入手段と
  あわせて試してみるには、無作為比較実験を実施すると
  よい。
<設計の判断基準>
・情報を出し過ぎていないか
プラットフォーム側にできる最も簡単で最も効果のある見直しは、人種や性別など慎重に取り扱う必要があるかもしれない個人情報を商談合意に至るまで表に出さないことだ。
 
・取引のプロセスをさらに自動化できないか
自動化の増強とごく普通の経済的インセンティブを巧みに導入すれば差別をなくすことができる
 
・差別禁止項目をなるべく利用者に意識させる
 
・差別問題を意識したアルゴリズムを使う
 
プラットフォームも大きな社会的状況に含まれる存在であり、単に差別を助長しない設計にするだけで肌の色や性別による差別がない世界が実現する訳ではない。・・・・・・
・・とはいえ「正しい行いがよい結果を生む」という理念が通用するケースも多数ある。
 
米国の交響楽団に多様性をもたらした事例が象徴的
・1960年代中頃の米国五大交響楽団(ボストン・フィラディルフィア、シカゴ、ニューヨーク、クリーブランド)にしめる女性楽団員の割合は10%未満だった。
・1970年代から80年代にかけて、スクリーンなどの遮蔽物の向こう側で演奏させた。この取り組みは女性音楽家の成功率を160%に増やした。
 

アンコンシャスバイアスにアンテナを立てよう

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ダイバーシティインクルージョンの肝とも言えるのが、多様性に対する柔軟で楽観的な思考スタイルをどう維持できるかということ。こり固まったメンタルモデル(認知的枠組み・モノを見る世界観)に気づき、それを手放すことは多様性を活かす上で不可欠なことだ。
最近、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)トレーニングのニーズが非常に高まっているのも、このメンタルモデルが強固に組織の中にはびこっているからだろう。
2014年のガーディアン紙にクリスティーヌ・ラガルド氏のコメントが掲載されていたので紹介したい。女性自身が持つ無意識の偏見(女性にはリーダーは無理、私はにはできない)をまず捨て去ろう、というメッセージ。しっかりと受け止めたい。

---以下、クオリア訳---

・無意識の思い込みがもたらすもの

私たち女性は自らに染み込んだ思い(自信の無さを含め)そのせいでチャンスを逃し、トップへの道をあきらめてしまっている   

クリスティーヌ・ラガルドはかつてフランス有数の企業から女性ではパートナー(共同経営者)になれないと警告されたことがあります。

無意識での思い込みは人生のあらゆる面に影響を及ぼします。私たちは意識せぬまま、自分と似た外見、考え方、バックグランドを持つ人々を好む傾向にあります。誰もが自分は寛容で客観的な人間と思いがちですが、人が自身や他人をどう理解し評価するかは、家庭環境、文化、過去体験から形成される個人の考え方・価値観に大きく影響されます。これはさまざまな研究が実証済みです。
時間をかけて蓄積された思考パターン、推論、解釈(あるいは思い込み)は、情報を素早く効率的に処理するために有用な側面もあります。生死のかかる局面では、思い込みはひとつの長所・不可欠な特質でさえあります。しかしビジネスにおいてはその代償は大きいものです。客観性に欠ける決断、究極的にはチャンスを逃すことにつながりかねないからです。

Lord Davies(英国貴族院議員)による最近の報告では、FTSE100企業の全取締役に占める女性の比率は20.7%となっています。2011年の12.5%から大きく改善しているものの、両性の平等というにはほど遠い状況です。この背景にあるのは、男性だけでなく女性自身もが持つ無意識の思い込みであるといえないでしょうか?
私たちが抱く野望もまた、既存の「ものさし」を反映したものとなりやすいのです。現在重要な役割を担う女性が少数派であるという事実によって、女性たちはキャリア構築にあたり、無意識のうちにトップを目指すことから後ずさりしていないでしょうか。思い込みのかたちも様々で、成功するにはもっと男勝りでなければと考える人もいれば、自らの能力や強みに疑問を持つ人もいます。
こうした思い込みはまた、クリスティーヌ・ラガルドIMF初の女性トップ)のようなロールモデルとなる女性たちについての記事で助長されることもあります。ラガルドは最近になって、フランス有数の企業から女性ではパートナーになれないと言われた自らの体験を明かしました。「ラガルドでそうなら、自分も同じ目にあうに違いない」との思いに至るのは容易でしょう。
このような思い込みは、失敗への不安を和らげてくれる一方で、私たちが持つ真の可能性を遠ざけてしまうことにもつながります。それでは、どうするべきなのでしょうか?
Newton Investment ManagementのCEOヘレナ・モリッセイ(Helena Morrissey)は、「多様な考え方と視点が必要ということに尽きる」と考えています。そしてその多様性を持つため、企業は自社の優秀な女性従業員に投資し、職位を上げながら育てていくべきだと語っています。
クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde) も同意しています。「今は、会議室で私以外は全員男性という場合がほとんどですが、これでは組織全体を動かすのは難しいでしょう。私の存在が組織を変えられる時というのは、中間管理職やその上級層に女性が増え、マイノリティである彼女たちを私が支援することで、彼女たちが働きやすくなり、自信を持ち、思い込みを振り切ることができるようになる、その時なのです。」 

しかし本当の変化を起こすためには、女性もまた自ら持つ無意識の思い込みに目を向け、害となりうる考え方を捨て去らねばなりません。
思い込みは内に宿ります。私たち自身から生まれるのです。企業文化に目に見える変化を望む前に、まずはそれが十分に理解されなければなりません。

私たちは先入観を捨て、新しい考え方を学ぶ必要があります。ロールモデルとなる存在が身近にいなければ、優れたリーダーの特質を自ら定義し、それを目指していかなければなりません。 

http://www.theguardian.com/women-in-leadership/2014/may/01/unconscious-bias-wome
n-holding-back-work

交渉は難しい。自分のための交渉はさらに難しい。

HBR2016年7月号からもう一つ面白い論文。

「自分のための交渉を成功させる方法」

シモンズ大学経営大学院名誉教授 デボラM.コルブ


先日某企業での女性リーダー育成プログラムで社外のロールモデルを招いて上司・部下の合同の場で話を聞いてもらった。非常に面白かったが特に印象に残っているのが、商社勤務の女性管理職が、女性が働く上で上司や周囲との交渉力は不可欠と語っていたこと。自分の評価が納得いかなかったら不満をためたまま引き下がらずに上司と交渉するとが重要だと。本来、交渉は悪いことではないが、女性が自分のために交渉するとあまりよい評価をされないことがある。そもそも自分のための交渉は難しい。

 

デボラ教授は言う。

自分自身のために交渉に臨むときは、会社を代表して交渉する時によりも気まずさを感じる。採用や査定など通常の枠組みを外れた場合の交渉であればなおさらだ。そういう場面では感情に大きく左右されるようになる。

自分自身の代弁者となって交渉すれば、「チームプレーのかける」「要求の多い人」と見なされるかもしれない。特に女性はそう見られることが男性よりも多く、「何かを求めたことへの社会的代償」を支払う羽目になることもある。

 

自分のための交渉(小文字のnで始まる交渉(ネゴシエーションnegotiation))を成功させるために、次の4つのステップをやってみよう。

 

1.チャンスの認識

 交渉のチャンスは必ずしも明確ではないが、是が非でも声を上げるべき時かどうかをしっかり見極めよう。交渉テーマが自分にとって重要なのは当然だが、求めている結果

が自分個人のみならず組織のメリットにもなり得るかどうかは重要な判断基準だ。

 

2.交渉の準備

 ・有益な情報を集める(前例や交渉相手に関する情報など事前に知っておくことは重要)

 ・おのれの立場を知る(相互依存の関係にある相手には、自分の仕事が相手や他者の成功にどんな影響を与えているかに注目しよう)

 ・選択肢を用意して交渉の支えとする(交渉は創造力が問われる。選択肢を考える際は、相手にはどのような正当な理由があって、あなたの提案を受け入れられない野かを考えるとよい)

 

3.交渉の開始

 ・会話を敵対的なものにせず、協力的な交渉に導くためには、まず自分の価値を明確にし相手に理解させること。また相手が受け入れない正当な理由や懸念事項を確認し、対処すること。

 

4.交渉の舵取り

 ・相手を交渉に引き込むことができたら、胸襟を開いて対話する。その際には、主張ではなく質問が効果的。

1.仮説検証的質問(もし、~だったら)

2.互恵的質問(~の場合、あなたはどうか)

3.循環的質問(情報を開示すると同時に情報を収集する質問)

 

とりあえず、声を上げることは悪いことではないと自分に言い聞かせ、まずは 発言してみよう。言っても変わらないかもしれないが、言わなければ絶対変わらないのだから。

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組織の本音を引き出す上司の関わり方

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3人いれば社会が生まれ、組織が生まれる。多様な人がいる中で、どうパフォーマンスを上げていくかは、いつの時代も大きな課題だが、ITが進化した現在それは更に複雑性を増している。
会社にこなくてもいつでもどこでも仕事ができるようになり、バーチャルなコミュニケーションがリアルコミュニケーションを凌駕する時代もすぐそこに近づいている。

組織の中の感情をどう取り扱うか。悩ましい問題を取り上げた、GBRの2016年7月号の特集は「組織の本音~きれいごとでは人は動かない」はおもしろかった。

備忘録的サマリーを。

「言いにくいことを言える職場」 コーネル大学教授ジェームズ R.ディタート

                テキサス大学オースティン校イーサン R.バリス

 

・リーダーが部下に自由に話してもらうと、意識調査や全スタッフのフィードバックセッションなど様々な手段を講じるが2つの理由でうまくいかない

  ①結果に対する恐れ(きまりが悪い、孤立する、評価が低くなる、昇進できない。   果ては解雇されるかも)

  ②徒労感(話したところ何も変わらないのだからわざわざ言う必要はない)

 

組織の中の「恐れ」を増幅するのは、上司の問題行動だ。

・匿名のフィードバックを奨励すると、むしろ自由に話すコトへのリスクが高まり社員の疑心暗鬼が増す。また匿名を認めると魔女狩りが始まる。問題を提起した本人の身分を伏せたままその問題に対応することは難しい。

・門戸を開放しても結局、部下は上司の所にはやってこない。

・意識するかしないかにかかわらず、上司は微妙なシグナルを通じて自分の権力を見せつけている(社会心理学者リチャード・ハックマンはそうしたシグナルを「環境刺激」とよんだ)。すると、社員は黙り込んでしまう。

 

本音を言わない最大の理由は「諦め」

言ってもしょうがないという態度を生み出すのは上司の次のような行動。

・自由な表現の手本を示さない。リーダーが口をつぐんでいては、部下は大いにやる気を失ってしまう

・どんな意見がほしいのか明確に示さない。リーダーは自分の問題意識に沿う考え方に最も反応しやすく、そうでないものには関心を示さないが、それをなかなか認めないため、部下はあなたの望むモノを知るために多くの時間とエネルギーを使ってしまう

・問題解決のリソースを提供しない。アイデアをいくら出してもそれを一部でも良いから実現させるためのコミットメント(資金などのリソース提供)がなければ、何を言っても変わらないという無力感が社員に生まれるだけ。

 

社員が自由に心配事を表明できる組織は、定着率が増しパフォーマンスも高まることは多くの研究で分かっている。

声を上げやすい、文化を創るために必要なことは

・普段から頻繁に意見を求め面と向かって会話をすれば、肩肘張らずに自然体でアイデアを共有できる。フィードバックを日常的なものとする

・フィードバックプロセスの透明性を確保すると、社員の懸念が和らぎ、参加意欲がます。

・部下の考え方を本当に知りたければ尋ねることだ。

・部下の真実を知りたければ彼/彼女達と交わるときに権力を笠に着ないこと。歩き回るマネジメントが効果的。パワーシグナルを弱めよう

・矛盾したメッセージを送らない。手本を示す。コミュニケーションを怠らない。

上司がコミュニケーションを怠ると、話をしても無駄だという部下の諦めが30%増加する。しかしマネージャーが過去にコミュニケーションをきちんと交わした場合は、部下が遠慮なく話をする態度が19%増加した。

 

組織の本音、自由な意見を引き出すには上司の関わり方が重要だということ。

当たり前だけど忘れられがちなことだ。